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この度、資産家の方に同行してスイスとリヒテンシュタインに行ってきました。これから先、資産家の方にとって有益な情報がありましたので御報告します。 1.プライベートバンク 今回、リヒテンシュタインで1カ所、スイスのチューリッヒで3カ所のプライベートバンクを訪問しました。 スイスは伝統的に「安心」をキーワードに資産運用をしていますが大きく3つのコースがあります。 ①ハイリスクハイリターン ②中リスク中リターン ③低リスク低リターン の3つでそれぞれ選択でき、途中でも変更可能でした。 また投資金額は、5千万円でも1億円以上でもいいところと3億円以上のところと様々でした。そして一任勘定でお任せコースと、自分が指示をして決めるコースとの2つがありました。 トレーディングルームを視察しましたが、一人の机の上に5、6台の大きなディスプレイが並んでおり、部屋の壁には大きなテレビが設置されていました。 そのテレビを使って毎日世界各地の支店とテレビ会議を実施し、情報交換を行っていました。 2.スイスエコノミストの判断 次にプライベートバンクのストラテジーエコノミストに世界の情勢について彼らがどのように考えているのかを質問しました。以下私が興味をひいた情報を述べます。 ①アメリカはシェールガスの開発で石油に代わるエネルギーの確保ができたことで急速に経済は回復する。結果としてドルは強くなっていく。すでに中東の石油は、必要度が低くなりアメリカは撤退を考えているようである。 ②中国は近い将来、分裂する可能性が高い。隣接している香港は財産を預けるのは大きなリスクがある。また、中国経済と密接な関係にあるオーストラリアのドルを多く持つのも同様である。 ③インドは将来的に中国を抜く可能性があるが、実際にインド人と仕事をするのはかなり難しい。なぜなら、彼らは契約をしてもすぐに約束を破ってしまうからだ。 ④ヨーロッパで最も安心できる国はドイツである。ドイツ人は契約をきっちり守り、物づくりに伝統的に強い。世界で物づくりができるのはドイツと日本である。 ⑤新興国は世界から部品を集めて、安い人件費での組み立てを主にしているので、例えば家電等は日本、ドイツは手を出してはならず、むしろ大きな設備投資と技術の蓄積を必要とする重電部門が生き残りのカギとなろう。 ⑥日本はアベノミクスで上向いてきたが、第三の矢の成長戦略はTPP参加で市場を開放し規制を緩和していくことが出発点となろう。特に教育の改革とドイツの実例のように労働市場における解雇等の条件をしやすくすることが大切だと言っていた。さらに日本近海のシェールガス等、地下資源を掘り出す技術の開発と大型投資を早急に実施すべきである。 ⑦これにより一番困るのはロシアで、資源の売り先が無くなった場合は4島を買ってくれと言ってくる可能性大(笑) ⑧東南アジアで一番安心できる国は今のところタイである。教育水準も高く、立憲君主国で国が安定しているからである。 3.結びにかえて スイスは周囲を5ヶ国の大国に囲まれた九州ほどの小国です。国の安定のために永世中立を宣言し、世界の金持ちを集め、彼らが落とすお金で財政基盤を作って来た国と言えます。プライベートバンクの役員の一人が「ラッファー曲線」の話をしてくれました。それは、税収と税率の関係を描いたカーブで税率を上げると一般的には税収が上がると思われているが、税率があまり高くなりすぎると逆に税収は下がっていき、理由は、高収益の企業と富裕層が国外に逃げていくからです。 ヨーロッパの法人税の税率は20年間で15%下がり、今では23~25%に低下しましたが、税収は何と20年前とほとんど同じであるとの話がありました。その今回の視察で日本が取ろうとしている増税路線に改めて疑問を感じた旅でした。
by seki_soken
| 2013-08-31 10:54
| 相続
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