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1、はじめに そもそも今回の制度改革は、第一次ベビーブーマー全員が後期高齢者 になり医療費が倍増する「2025年問題」がその背景にあります。小泉内 閣は、規制改革の一環として株式会社の医療経営参入を認め、自由競争 によって医療費の削減を実現しようとしました。一方、厚労省は、医療経営 は「非営利」が原則であり、医療法人が担うものだと反論しました。これに 対し、政府側から「持分有りの社団」の非営利性に疑問を投げかけられま した。すなわち「非営利=配当禁止」であっても、退社した時や解散時に払 分の払い戻しが出来るのは、「配当の後払い」にすぎないという反論をくつ がえすことが出来なかった経緯があります。そこで厚労省は、平成18年 の第五次医療法改正で非営利性の強化を盛り込む医療法人制度改革を 断行した訳です。 2、改正のキーワード ①非営利性の徹底 解散時の残余財産の帰属先の制限 ②公共性の確立 附帯業務の拡大と社会医療法人制度の創設 ③効率性の向上 役員・社員総会等の医療法人の内部管理体制の明確化 ④透明性の確保 事業報告書の作成・閲覧に関する規定の整備 ⑤安定した医業経営の実現 社会医療法人債(公募債)発行に必要な規定の整備 3、新しい医療法人制度の実務ポイント ①医療法人改正により医療法人制度は原則2階建てとなる。 ②平成19年4月1日以降、新規に設立される医療法人の形態は、「財団 医療法人」と「持分の定めのない社団医療法人」に限定される。後者は、 「基金」制度の採用が可能となった。 ③医療法人全体の98%は地下1階の法人である。(平成18年末の医療 法人総数は41,720件であり、内持分有りの社団が40,914件)持分有 りの社団医療法人は、経過措置により当分の間存続することになった。 この経過措置の及ぶ範囲は、財産権に係る部分だけであり、その他は 改正医療法人の適用を受けるので注意が必要。 ④地下1階の医療法人が地上1階に移行することは任意である。しかし現 状では何らかの課税を受けるので、移行は慎重にすべきである。又、移 行した場合には後戻りは出来ないので注意すること。 ⑤平成19年3月末日までに設立された医療法人は、1年以内(平成20年 3月末)までに定款の変更をする必要がある。 ⑥医療法人の附帯業務の拡大として、第一種社会福祉事業(ケアハウス の設置・運営等)及び第二種社会福祉事業の実施(デイサービスセンタ ーなどの通所施設の設置・運営等)や老人福祉法第29条第1項規定の 有料老人ホームの経営を行うことが可能となった。 ⑦監事の職務が明記され、監事を中心とした医療法人のチェック体制が 強化された。すなわち、理事は毎会計年度終了後2ヶ月以内に事業報告 書を監事に提出。さらに会計年度終了後、3ヶ月以内に監事の監査報告 書等をそえて知事に提出しなければならない。 ⑧社員の議決権が一人一個と明記された。又、自己資本比率規制(20% 以上)が廃止された。 ⑨透明性を確保するために、閲覧に関する規定が整備された。来年4月 以降提出する書類は、従前の債権者だけでなく「一般の人」も閲覧するこ とが可能となったので、会計事務所と充分相談の上、提出する必要があ る。但し理事長の報酬がいくらとか法人の借入金がいくらあるか等の情報 公開は、診療所のみを開設する医療法人についてはない。 ⑩社会医療法人は収益事業を営むことが出来る。又、社会医療法人債を 発行できるが、その際には公認会計士の監査を受けることとなった。何ら かの税制上の優遇措置が受けられる予定。(移行税制、法人税率、寄附 金税制等) ⑪特別医療法人制度は、5年内の経過措置を設けて平成24年3月31日 をもって廃止され、社会医療法人に移行しない場合は持分なしの社団又 は財団の医療法人となる。 ⑫特定医療法人については、租税特別措置法上の制度なので今後もそ のまま存続する。 (文責:関 博) アズタックス税理士法人 理事長 公認会計士 関 博
by seki_soken
| 2007-08-16 13:46
| 医業経営
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