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1. はじめに 最近の税制改正を見ると、富裕層への課税強化に注力していることがうかがわれます。平成27年度税制改正で、一定の富裕層は確定申告の際、自分の財産を国税当局に報告することになりました。もっとも以前から「財産債務明細書」の提出が求められていましたが、今回「財産債務調書」に名称変更しました。よく似た名称ですが、変更の意味はかなり重くなっています。 財産債務明細書は罰則も無く記載内容も大雑把で済んでいましたが、平成25年度の提出者は約16万人で、提出が必要な富裕層の44%、過半数を割っています。財産債務調書は未提出・虚偽記載にペナルティが付きましたので注意が必要です。 2. 財産債務明細書から財産債務調書へ 両者の特徴をまとめましたのでご参照ください。 注意点は以下の通りです。 (1) これまで年間所得2千万円超の方が対象でしたが、今後は、それに加えて3億円以上の財産または1億円以上の有価証券等がなければ提出は不要になりました (2) これまで有価証券、不動産、等を明細書に記入していましたが、原則、時価での記載が必要です。上場株式なら12月30日の終値、未上場株式は毎年株価を算定することになります。不動産は時価ですが、税務署の見る時価は「路線価」ですのでこれで足りると思います。 (3) その年の12月31日時点で5千万円超の国外財産を有する方は、案内の通り3月15日期限で「国外財産調書」を税務署長に提出することとされています。このとき「財産債務調書」もあわせて提出しなければならない場合には、「国外財産に関する事項」の記載は不要です。なお、国外財産調書の虚偽記載および不提出については、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が課されます。 3. むすびにかえて 以前は「出してください」とお願い文書であった明細書が、警察/検察の取調べで使用される「調書」に変更されました。 これまでの財産債務明細書には国税当局が税務調査する権限である「質問検査権」は及びませんでしたが、新たな「財産債務調書」では質問検査権が認められ、国税当局が財産や債務に関する帳簿書類等を調べたり必要な書類を提出させたりすることができる様になりました。また、財産について修正申告が必要となった場合、財産債務調書を提出していれば過少申告加算税および無申告加算税が5%軽減されますが、未提出・未記載の場合は逆に5%加重されます(アメとムチ)。 次に注意しなければならない事は、昨年平成27年7月1日以降に国外転出をする者が、出国の際、時価1億円以上の有価証券等を保有していると、時価で譲渡したと見なしてその含み益に課税する「出国税制度」が設けられました。この財産債務調書の提出者は、出国税の潜在的な対象の者として国税当局に把握され、富裕層にとっては実に頭の痛い問題となりました。
by seki_soken
| 2016-02-22 15:00
| 相続・贈与
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