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先日のNHK「クローズアップ現代」でグローバル企業の租税回避報道がありました。 スターバックスコーヒーはオランダに本社を持ち、タックスヘイブンの国に利益を移すことで、ほとんど税金を納めていない実態が報道されました。スターバックスは英国に約700店舗あるそうですが、若者を中心としたデモ隊が「税金を払え」と行進している状況が生々しく映し出されました。一方、米国ではアップルやグーグルが米国内でほとんど税金を納めていないことを議会で追及されている場面が映し出されていました。 先進諸国のどの国も社会保障支出の増大で財政難に陥っています。確かに、国の側からすれば、「公共サービスやビジネスインフラを十分享受しているにもかかわらず納税をしないのはおかしい」ということになります。一方、多国籍企業は各国で税率がまちまちであること、そしてグローバル競争の中で生き残っていくためには内部留保が必要だと主張しています。 この報道を見て、私は、これからのグローバル化に向けて重要な問題提起がなされたと思います。人・モノ・金・情報が国境を越えて自由に移動しているにもかかわらず、法律は各国の事情で作られ、グローバル化に対応していないことが主因です。私は、納税がほとんどなされていないことは問題だと思いますが、税金が高すぎるのも問題だと思います。20~25%位は法人税を払うのが妥当ではないでしょうか。結論として、これからは「地球環境に優しい企業」プラス「納税をしっかりして社会に貢献している企業」が尊敬され、永続発展すると思います。皆さんに言いたいのは、法人税は20%前後に落ち着くと思われますので、個人資産も含めてできるだけ法人を活用する時代にきていると思います。法人には株式会社だけではなく合同会社・一般社団法人も含まれます。 ところで、以前から話題になっていた税制改正が現実となり、いよいよ平成27年1月から相続税の大増税がスタートします。今後相続税の重い負担を嫌う富裕層が「キャピタルフライト」で海外に逃れる動きが加速すると思われます。 その一方であえて日本に残り続ける富裕層もたくさんいます。「近い将来地震が起きたときに、自分の土地を避難場所として提供したいので、売却はしない。」と、私利私欲を捨てて崇高な考えを持っておられる方も知っています。先ほどのテレビ放送のように、相続でも租税回避で日本を捨てる人は税を免れ、実直に日本で生きていく富裕層に対して重税を課すことになるのではないかと心配しています。 マスコミを始め多くの人が、資産家をやっかみ白眼視することは、これからの日本社会にとってなんら益になりませんし、むしろ日本社会から富裕層が消え、大きな損失になることを歴史は教えています。 地下資源もほとんどない日本は、人こそが大切な資源です。税金をとるだけを考えるのではなく、これからの日本にあるべき税制を創設する時期に来ています。例えば、先ほどの避難所に提供する土地、その地域の住民の憩いの場となる公園を提供する土地持ち富裕層に配慮した税制があって然るべきです。また、駅前にたくさんの自転車が放置されていますが、駐輪場として提供を受ければたくさんの方が助かります。さらに、財政難で国債の増発が続いていますが、国債の引き受け手が少なくなったときに、国債を買い支える耆徳(きとく)な富裕層も多く出ることでしょう。 このように考えると、資産家をつぶすのではなく、逆に積極的に活用していくことが肝要と考えます。長年税にかかわってきた人間として、心の底からそう願っています。
by seki_soken
| 2013-06-15 00:00
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