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1. アベノミクスを考える 昨年暮れから、安倍首相のいわゆる「アベノミクス」が発表され、日銀黒田総裁の金融緩和に市場が反応し、世の中が急に明るくなってきました。景気の「氣」は人間の気持ち、気持ちが変わればこんなに激変するのかと私も驚いています。これからは本筋である第二の矢「財政再建への取組み」と第三の矢「成長戦略」の実行段階に入ろうとしています。第二・第三の矢は恩恵をこうむる人がいる一方で、今までの既得権を守ろうとする人たちの猛反対が予想されます。そもそも「改革」は既存の制度をぶち壊して新しい制度を作り直す過程を言います。日本の歴史を振り返ると、織田信長、坂本龍馬、大久保利通、そして昭和恐慌デフレを再建した高橋是清、全て反対者によって暗殺されています。100年以上経過してから偉業が評価されたのであって、改革の最中は「自分たちの生活・事業を脅かすとんでもない奴」だと、反対者の目には映ったことでしょう。本来「改革をする人」でその時人気がある人はありえないということを歴史は教えています。日本史に登場した彼らは、日本の将来を考え、恐らく死を覚悟して信じる道を突き進んだものといえます。 話は変わりますが、つい先日、英国のサッチャー元首相が亡くなりました。ちょうど彼女が首相のとき、MMPG創始者の川原先生の鞄持ちをして英国医療事情の視察に出かけ、ホテルで見たTIMESのトップページに彼女の悪口がたくさん書かれていたことを思い出します。それに対し彼女の「皆さん全員のコンセンサスを得ることは不可能です。政治とはリーダーシップだからです。」のコメントが印象的に残っています。当時の英国は医療改革の真っ最中で、医療費無料化のため医師に十分な手当てがなされず、有名なDrは米国に移住する事態が発生していました。私共が訪れた病院のDrは、英国人ではなくインド人・エジプト人等、旧宗主国出身のDrが忙しく働いていました。また、病院に入院をするのに2-3ヶ月待たされるのが当たり前の状態でした。こんな医療制度にはしたくはないと、川原先生と語ったものです。それほど日本の皆保険制度は世界に誇れる制度であり、今も立派に機能して、結果として日本は世界一の長寿国になっています。 さて、最近になってぼちぼち「原油値上げで水産業に影響が出ている」「原発に替わる火力発電の燃料費がかさむ」等、マイナス面の報道が出てきましたが、参議院選挙が終わって秋口になれば、もっとマイナス面の情報が流れてくると思います。安倍首相は「成長戦略」の一環として「TPPに参加する」ことを表明しました。新聞紙上は「日本の農業をどう守る」等の議論を展開していますが、「成長戦略」に乗せるには今までのやり方や国内マーケットだけで考えるのではなく、むしろ日本の医療制度も含めて「いいものを新しいマーケットに攻めていく」発想が必要だと感じています。 2. 高橋是清の改革 昭和恐慌にあえぐ当時のデフレ脱却を果たした高橋是清の書籍を何冊か読みました。昭和の初期ですから、今から80年以上も前のことです。財政に関して、渋沢栄一も「歳入が決まってから歳出を決めよ」と名言を残しています。高橋是清が大蔵大臣のときの財政の根本も「入るを計って出るを制す」でした。恐慌時は産業が疲弊しているので、国債を発行して経済の活性化を図るようにしました。これは今の政府も同じです。ただし、財政は永久に赤字を出してもいいということはありえないので、財政の建て直しを目的として増税せよと主張しましたが、増税の時期が当時も問題でした。増税はするが赤字国債は依然として増えていくというのでは国民は納得しないからです。そこで彼は増税をする条件として、政府として無駄な支出を削減することに注力しました。さらに増税の時期は2年なり3年なりの時間をかけてタイミングを計りました。それは本当に景気の回復がみられて国民の懐具合が温まったときに増税しても差し支えないという信念でした。彼の考え方は、おじいさん・おばあさんがうなづく内容で、当たり前の話です。気になるのは今の政府がこの原理原則をふまえているかどうかです。高橋是清は「国債は財政赤字を穴埋めするために発行するのではなく、後世に役立つインフラや殖産に使うべきで、ツケを子孫に回すのは避けなければならない」とし、やがて国民の財布が重くなったときに増税をして国債を償還すべきだと言っているのです。今我々が頭の中に入れておくべき重要な原則を昔の賢人は教えてくれています。 ただし、気になるのはその後の日本でした。軍事予算がどんどん膨らみ、やがて破局に向かっています。今は軍事予算に代わって「社会福祉」の予算が膨らんでいっています。ここにメスを入れないと同じ轍を踏むことになりかねません。
by seki_soken
| 2013-05-14 10:08
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