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1.はじめに 2002年3月に中小企業庁は、「中小企業の会計に関する研究会」を設置し、同年6月に報告書を公表しました。その後2007年2月に中小企業庁の音頭で、日本公認会計士協会・日税連・日本商工会議所でもって「中小企業の会計基準に関する指針」(以下、「中小指針」と表記)が公表されました。しかしながら、この「中小指針」はレベルが高すぎて実務に定着しませんでした。それは大企業と中小企業では属性が異なっていたからです。すなわち、 ①所有と経営が分離されているか ②内部統制が整備されているか ③利害関係者の範囲はどうか 属性が異なると、会計慣行も自ずと違ってきます。中小企業の会計は債権者や取引先といった限られた者への情報提供が特徴的で、永らく「確定決算主義」が定着してきました。中小企業の会計は確定決算主義を維持し、責任ある経営をするための正しい記帳と「経営者の意思決定に役立つ」ことが求められます。そうした論点と反省から新しい「中小指針」が現在議論され、今年の9月頃に公表されることになっています。 2.新しい「中小指針」の内容 新しい「中小指針」は、中小企業の成長に役立つものであることが第1目的であり、「経営者に役立つ会計」であるという考え方が重視されています。 ①基準設定は取得原価主義と企業会計原則を ベースとしています。 ②収益費用は発生主義で処理します。 ③資産負債は取得原価主義及び債務額によって 処理します。 ④貸倒引当金は税法に軸足をおいた法定繰入率を 明示しています。 ⑤一番大きな問題は固定資産の処理です。 減価償却の償却方法で議論をしている最中で、 決着は未だついていません。 ⑥リース取引の借り手は賃貸借取引または売買 取引にかかる方法に準じて会計処理をします。 ⑦外貨立建取引については発生時の為替相場による円換算額、そして金銭 債務については取得時または決算時の為替相場の選択を認めることと しています。 ⑧重要な会計方針にかかる事項は注記が求められます。そして新指針によって 計算書類を作成した場合は、その旨を記載することになっています。 3.終わりにかえて 新しい「中小指針」が制度的に定着するか否かは、我々実務家である公認会計士および税理士の双肩にかかっていると思います。これからますます「企業財務の透明性」が求められます。特に「金融円滑化法」が1年延長され、来年から本格的に格付の見直しがなされます。今回融資をしている大半は地銀と信用金庫です。相当数返済が出来ない企業が出てくることで、来年以降中小金融機関の統廃合が実施されると予想されます。そうなると、例えば今まで3行借りていた先が1つに統合された場合、口数が3から1になり、企業にとっての借入金の枠が3分の1に減少することになります。そこでこれからクローズアップされてくるのが、「事業改善計画書」です。中小企業は、決算書の透明性を高めるために中小指針に準拠した決算書を作成することと、事業改善計画書を作成して決算が終わったら速やかに銀行に報告する時代が間近に迫っていることを社長の皆さんは認識して欲しいと思います。
by seki_soken
| 2012-03-15 00:00
| 経営
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